吟遊詩人がくれたお金を、入り口にいた人に渡すと怪訝そうにしながらも中にいれてくれました。外からはわからなかったのですが、中はドーム状になっていました。
その中には、ぎゅうぎゅうに人が入っていて押しつぶされそうです。

けれど、吟遊詩人のことを思い出し、ぐっと足に力をいれて一歩踏み出しました。


そこは、どうやら劇場のようなところでした。
舞台には、音楽を奏でる演奏者が数名と、若い踊り子がすでに踊り始めていました。

少女は、生まれて初めて踊り子という職業を知りましたが、どの踊り子もとても美しくときに見せる微笑みや回るとふわりと舞い上がるスカートに心ときめきました。
私も、大きくなったらあんな素敵な女性になれるかしらと、思っている間に演目が終わったようで、気づけば舞台には誰もいなくなっていました。