そのイケメン、オタクですから!

「な、留愛……だ、ダメだ……」
顔を赤くして後退る先輩をベッドに追い詰める。

文化祭の後の、及川家。
先輩のご両親は今日から2泊3日の北海道旅行だから、今日私は泊りに来ちゃったのだ。

先輩の承諾は、今からだけど。

「ゆうぴょんご主人様ぁ、留愛が子守歌歌ってあげますよ」
「お前は、馬鹿か」

メイド服で詰め寄ると、先輩のポケットから水色のリボンの包みが落ちた。

「これ、何だったんでしょうね。開けていいですか?」
尋ねると「別にいいけど」と言いながら先輩が机の方に逃げて行った。

包みを開くと……これ、見たことがある。
先輩のお母さんも同じものくれたよね。

何に使うものかは、実はもうママに聞いて知っている。
だけどわざと、私は不思議そうな顔をした。

「何ですか? これ?」
首を傾げると、及川先輩が大慌てで私の手から包みを奪う。

「優しくしてってそういう事か。留愛のお母さんも……あー、もうっ」
一人で頭を抱えるゆうぴょんご主人様。

先輩が私を大切にしようと思ってくれていることは重々承知。

だけどね、及川先輩。