「何があっても、留愛を嫌いになんてならない」

きっぱりと言い切る先輩。
いつだって先輩は私が今、一番欲しい言葉をくれる。

そして……腕を私の頬まで伸ばしてから、拳を握って下ろした。

「腹減っただろ。今日は俺が作ってやるよ……でも期待すんなよ」
明るい声で私から距離を取って、背を向ける先輩。

きっと触れちゃダメだと思ったんだ。優しい人だから。

私はずっと逃げてるままでいいの?
過去と向き合えないままで、先輩とも向き合えないで優しさに甘えてる。

それで……いいの?