「陸翔、ありがとう……」

そう言って陸翔を見上げる。

「あーもうそういうのがやばいんだって」

陸翔の顔は何故か真っ赤。


「よし、じゃあパラソル戻る……?!」

陸翔は言葉を言いかけて止まった。

だって、私が抱きついたから。


なんでだろう。今はまだ離れたくない。もっとこうしててほしい。


……まだ、抱きしめててほしい。


そんなことは一言も言葉に出してないけど、陸翔は聞こえたかのように抱き締め返してくれた。

「もうナンパされんじゃねーぞ」


「うん」


「その前に俺から離れんなよ」


「うん……」


やっぱり夏ってすごい。