彼との出会いは中学生の頃通っていた塾。


親の都合で隣町の塾に通っていた私は
通い始めたころは友達もいなかったが
同い年の子たちとすぐに打ち解けた。



2年生の春に通い始めた塾だったが
秋に入るころ、
その塾にいた男の子とよく話すようになっていた
一村賢人という名前の彼はみんなからいっくんと呼ばれていた。

一つ上の彼は県で一番偏差値の高い高校を目指していて、
頭もよく、話も上手な彼は塾で人気者だった。
後輩の私にも
勉強を教えてくれて
優しく冗談をいってくれるような存在だった。

春になり、
彼が無事第一志望の高校に入り、日常的に会うことはなくなったが
いつのまにか彼が
自分にとって一番の相談相手で自慢の先輩になっていて
毎日のように電話していた。

しかし、自分も第一志望の高校に入り、環境が変わった。