それから数日が経った。

仕事を終えたまやは狼谷と一緒に2階のカフェにいた。

コクリとブラックティーを口に含むと、まやは息を吐いた。

これから元彼である嘉門がここにやってきて、狼谷立ち会いの元で話しあいをするのだ。

「いけるか?」

抹茶フラペチーノを口にしていた狼谷が声をかけてきた。

まやは返事をする代わりに首を縦に振ってうなずいた。

心臓がドキドキと早鐘を打っていて、落ち着くことができない。

「いっぺん、深呼吸しよか?」

狼谷に言われ、まやは深呼吸をした。

少しだけ…ほんの少しだけだが、気持ちが落ち着いた。

「きたで」

そう言った狼谷に顔をあげると、嘉門がこちらに向かって歩み寄ってきていた。