「まやまでいなくなってしまったら、わいはどないしたらええんや!?」

(いや、知らんがな!)

心の中でまやは狼谷に盛大なツッコミを入れた。

コンビニの前でこんなことをやっているせいなのか、周りの人たちが何事かと言うように自分たちを見つめていた。

(確かに、我ながらおかし過ぎる光景やな…)

「頼むから行かんといてくれ!

なあ、頼むわ!

この通りや!」

なかなか引き下がろうとしない狼谷に、
「わかりました、あなたがそこまで言うなら行きません。

今夜はホテルに泊まることにします」

まやは根負けをすることしかできなかった。

「いや、ホテルやのうて家にきてくれ。

部屋はたくさん余ってるから、そのうちの1つを好きに使てくれても構へんから」

そう言った狼谷に、
「はい?」

まやは思わず聞き返した。