そのあと結婚してることがバレたと思ったら救急要請が入って。

滉くんに手伝ってくれって言われたとき正直嬉しかった。まともに喋ることすらできなかったから。

彼に私の成長したところ見てもらわなきゃね!

大和「速水先生って2人もいたらややこしいんで真衣先生って呼ばせてもらってもいいですか?」

真衣「もちろん、いいですよ。」

大和「ありがとうございます。ERの説明しますね」

ERの説明ねぇ。

真衣「大丈夫です。私もERで働いたことあるんで」

大和「そうですか。」


看護師「青山翠さん入ります。」

真衣「いきましょ」

あれ?青山翠?確かHITを持ってた患者だよね

あれは佐藤先生。何を入れてんの?

まさかヘパリン入れてんの?

真衣「佐藤先生待ってください」

佐藤「なんですか?」

真衣「今入れようとしてる薬品はなんですか?」

佐藤「ヘパリンですが、もういいでしょう」

やっぱりヘパリンか

真衣「待ってください。その患者はHITです。」

佐藤「え?」

真衣「青山翠さんは以前N&H病院でオペした患者なんですけどそのときにHITが検出された患者なのでよく覚えてるわ。」

佐藤「HIT、、、。どうすれば。」

あの時はヒルドイドを使ってたけど

滉一「真衣。この患者オペしたと言ったなHITを持ってる患者をどうやってオペしたんだ?」

真衣「この患者にヘパリンじゃなくてヒルドイドを投与したわ。でもこれは、ヒルドイドは日本で未認可の薬品よ」

滉一「なるほど、医療特区に指定された病院だからこそヒルドイドが使用できたのか。」

物分かりが良くて助かるわ。

真衣「それよりなんで心配停止になったのかわかってるんですか?」

佐藤「はい。原因は前回のオペの吻合がガサツだったことかと。」

真衣「確かこのオペしたのは大沢医院長か。」

滉一「真衣がやったんじゃないのか?詳しいから真衣だと思ったが」

真衣「違うわ。私はその時小児科にいたもの。小児科に入院してる子の容態が悪化したから見にいってたの」

真衣「詳しいっていうのは多分覚えたからね」

滉一「覚えた?」

真衣「ええ。大沢医院長はこの患者にオペしたあとやめたのよ。うちの麻酔科医が大沢医院長の手術ミスに気づいて」

真衣「そのあと医院長になったのが私なの。手術の人選は全て麻酔科医に任してね。ただそうしたら今までと全く変わらなかったから入院患者のプロフィールとカルテを全て頭に入れたの」