青い花びらが落ちて

少しの坂を下って山沿いのアスファルトを歩いてると家に着いた。


いつき 「ただいまぁ。」

お母さん 「早かったな!どやった?」

いつき 「2位でした。」
人差し指と中指を立てて言ってみた。

お母さん 「おお。すごいやん。楽しかった?」

いつき 「かなり楽しかった。」

お母さん 「なら良かったやん。焼けたな(笑)」

いつき 「...え?ほんまに?焼けた?」

お母さん 「焼けてるわ。お風呂の鏡で見てきてごらん。」
そう言われてそそくさとお風呂場の鏡をのぞき込む。
パッと見分からないけど、体操服の首元をめくってみると色が変わっていた。

お母さん 「寝る前にクリーム塗っとき!」

いつき 「ほんまやぁ。焼けとる!塗らな!」

いつき 「あ!そう。そう。忘れてたよ。今日打ち上げいくからそのお金欲しい。」

お母さん 「何円?」

いつき 「3000円。」

お母さん 「お財布に入ってるはずやから取っといてー。」

いつき 「はーい。」

そういって使い込んでそうなお母さんの財布を開けて1000円札を3枚取った。

いつき 「お風呂入ってくるわぁ。」

お母さん 「はーい。」

お風呂で髪の毛を上げて体を洗い流す。

熱いお湯は嫌だからちょっとぬるめにしたシャワーで洗い流す。

タオルで吹き終わる。

いつき 「服どーしよー。ママ今何時ー?」

お母さん 「4:26分やでー。」

いつき 「やばっ!あと20分で服決めやな。」

完全に乾き切れてない髪をタオルで叩き拭いたあと階段を登ってクローゼットを開ける。

試しに、自分で決めた服を着てお母さんの所に行く。

いつき 「ママ、これ変?」

お母さん 「なんか、柄が多い!」

いつき 「おっけ。」

そして、デニムのスカートに変更して服はギリギリの時間の中で決まった。

いつき 「決まった!ママいってきまーす。」

玄関でそう叫んで、家を出る。

みんなで集合する場所の小学校の北出口。
焼肉の送迎バスがそこに来てくれる。

なつみの家まで歩いて五分ほど。

帰るときに通った道を通りながらも、

なつみの家を目指す。

なつみの家が見えてきた。

ピンポーン。
インターホンを押すと
なつみ 「はーい。」

いつき 「いつきでーす。」

なつみ 「あ、、はーーい!」

玄関の先でドタバタ聞こえる。
三分ほど待ってると、玄関を開けてなつみが出てきた。

いつき 「遅い。遅い!」

なつみ 「ごめーん。」

身長が小さいなつみは15cm程のヒールをカツカツと鳴らしながらくる。

いつき 「ほんまに、なにしてたんよ。はよ行くで!」

なつみ 「んー、髪の毛乾かしてた。」

いつき 「...なるほど。」

なつみの髪の毛は胸のあたりまである。
しかも量が多いので乾かすのは結構時間がかかるはずだ。

いつき 「でも、はよして。」

なつみ 「ごめんってー。」

いつき 「ほってこ。」

なつみ 「ひどい、酷すぎる。(笑)」

さささと歩くいつきの後ろをカツカツと追いかけてくるなつみ。

集合場所の北出口まで歩くと結構メンバーが集まっていた。


友里 「遅かった!遅い!」

なつみ 「ごめんよ。」

いつき 「それは全部なつみ、この子のせい。」

友里 「うん、だいたいそれは分かる(笑)」

なつみ 「え?ひどくない?」

いつき 「ふつー。」

友里 「ふつーだよ。」

いつき 「バス乗ろ。」

友里 「うん♪」

バスの運転手さんに「お願いします。」と言いながら乗り込む。


バスの中は盛り上がった。

30分くらいすると焼肉のところに着いた。

いつき 「よーーーし。肉食うぞ!」

後ろの座席に座っていた、ほかの友達も

「おーー!!」と言ってくれてかなり盛り上がった。

峪 「うっさいっ。」

いつき 「べぇーーーだ。」

なつみ 「仲がよろしいこと!」

いつき 「ほほほ。あいつとは何もありませんわ。」

なつみ 「では、浩樹様は...?」

いつき 「...ほほほほほほ。では、行きましょ。」

そういって猛ダッシュでなつみから走り逃げた。

友里 「えぇ!いつきー!」

なつみ 「こらー!ばーか!ばか!ばーか!」

店内に入るとちょっとヒンヤリとした。

冷房がきいてるみたい。

なつみ 「え、寒...」

友里は肩出しの服を着ていた手で肩を隠すようにして、寒がっていた。