青い花びらが落ちて

*****昨夜

外を見ると、雨が降っている。

結構、キツめの雨だった。

私はまだ携帯を持っていなくて、親も時代からちょっと離れたガラケーだった。
周りのみんなは各自の携帯でLINEをしている。

私は、その当時家にあったパソコンでLINEをしていた。


ぽよん。
LINEが来た音がする。

なつみ 「雨すごいな。」

いつき 「ほんまによー。」

なつみ 「明日体育祭やけどいけるかな。」

いつき 「いけるやろ。だって、いつき、てるてる坊主作ったもん。」

なつみ 「笑笑」

なつみ 「お疲れさま。」

いつき 「ありがとう。」


てるてる坊主の顔に笑った顔をマイネームで書いてみる。

少し滲んだけど、てるてる坊主は笑ってた。


笑って、くるくる回ってた。

いつき 「晴れますように...。」
手を合わせててるてる坊主を拝んでみる。

お母さん 「何やってんの。」

いつき 「明日晴れるようにお願いしてる。」

妹の明音は
明音 「変なの。(笑)」


お母さん 「もう寝なさい。夜遅いよ。」

明音 いつき 「はーーい。」



そういって部屋にある敷布団で寝た。

明音 「いつき!...つき!」
明音はねてる私を起こした。

いつき 「うっさいっ!!なに!」

明音 「外!外!空!晴れ!」

いつき 「...え?空ぁ?!なによ...、なにがあるんよ...。」

おばあちゃんが立つ時みたいによっこいせと立ち上がった。

いつき 「っせっと。...うわ。」

部屋にある縦長の窓から見えたのは水色一色の空。雲一つない空だった。

未だに、その清々しいような青色を覚えている。

『...!てるてる坊主!』
昨日の夜はくるくる回ってたてるてる坊主は、いつの間にかポトっと窓の淵に落ちていた。

拾い上げると窓についてた水がしみたのか、
笑っている顔が少し滲んでいた。

『ありがとう。てるてる坊主くんありがとう』

胸にギュッと握る。

『きっとてるてる坊主くんが昨日手を合わせてお願いしたいつきの願いを聞いてくれたんや。』


まさに今日は

体育祭日和。

てるてる坊主くんのおかげでね。

*****