ランニングをして緩ーーい部活は終わった。
解散した後に校門の近くでサッカー部の2年と浩樹が居た。
いつき 「あ、浩樹おる。」
小声で友里に言ってみる。
友里 「え?!ドコドコ?」
オーバーな反応のせいで浩樹にバレてしまった。
浩樹 「部活終わったん?」
いつき 「え、いつきに言ってる?」
浩樹はほかを見て
浩樹 「俺が他に周りにいう人おる?(笑)」
いつき 「お、そりゃ、おるん違いますか?」
手提げバックを前に構えながら自然と早歩きになって歩く。
浩樹はちょっと付いてきて、なつみも友里も私に気を使ってるのか段々離れていく。
『離れやんといてっ!!』
心で叫んでも誰にも届かない。
いつき 「な、何ぃ?!なに?」
目を浩樹のいる反対側に反らして声は裏返る。
浩樹 「(笑)なんも。」
私の様子を完全に面白がってる。
浩樹 「俺のこと嫌い?」
いつき 「ちが!...」
ここで否定してしまえば好きだと言ってるようなものだ。
いつき 「ふ、普通です...。」
浩樹 「あ、そう。」
浩樹 「俺な、別れようと思ってるねん。」
いつき 「...。」
浩樹 「おーい、聞いてる?」
コクン、と縦に頷く。
浩樹 「...喧嘩ばっかりやねん。」
いつき 「そっか。」
浩樹 「うん。しんどいな。」
いつき 「そっか。いつき喧嘩したことないから分からへんかな。そこは...。」
浩樹 「え?」
いつき 「?」
浩樹 「いつきって、付き合って...た?」
いつき 「う、うん。別れたけど。」
浩樹 「...。だれと?」
浩樹の目は泳いで落ち着きが無い。
それもそうだと思う。
私は付き合ってた。
いつき 「サッカー部。」
浩樹 「え、ちょっと待って。同期?」
いつき 「うん。」
浩樹 「隆(たか)?」
横に降る。
浩樹 「竜(りゅう)?」
横に降る。
浩樹 「勇樹(ゆうき)?」
横に降る。
浩樹 「え、あと誰や。あ、雅(まさ)?」
横に降る。
浩樹 「もうおらんくない?(笑)」
いつき 「泰樹(たいき)。」
浩樹 「え、あいつ?なんで?」
いつき 「なんでやろ。告白されたから。」
浩樹 「好きやったん?」
いつき 「うん、いつきはな。」
浩樹 「なんで別れたん?」
いつき 「...。」
本当の理由なんて言えない。
話を変えるために、
いつき 「ちなみに11ヵ月。1年まであと10日やった。」
笑って見せたけど、浩樹はそのまま続けてくれるだろうか。
浩樹 「1年まで行かんかったんか。」
『よし。』
いつき 「うん。なんか、話してくれへんし。話しかけても冷たいし。楽しくなかった。」
浩樹 「そっか。」
