「アニメいいじゃん…二次元最高だもん……そう言う大河のタイプは?………モテるから選り取りみどりだよね」
「…………俺のタイプ?……内緒」
「すっ…好きな子とか…居ないの?告られても皆振ってるんでしょ?」
「好きな子は居るよ。相手は俺の事なんて範囲外だろうけど」
……好きな子…居るのか
ズキンと胸が痛む
どうせ叶わない想い…あてにもしてなかった…大河が誰に告られても気にしないフリしてた…
だけど実らないことが明白になると涙が溢れてくる
「……夏帆?」
「あ…あれ?…コンタクトずれたかな?ハハッ…洗面所行ってくる」
大河の顔が見れなくて、目をそらしたまま部屋を出た
洗面所に入って蛇口を開く
あぁ、忘れてた。コンタクトは学校から帰ってすぐに外したんだった
ボロボロと溢れる涙が水道水と共に流れていく
『好き』を隠すのはツライ
切ないなぁ

