「別にいいよ」

口調この前より柔らかいな。

やっぱり私がいたから、固かったのかな。

「鈴!早く上に上ろっ」

「うん」

階段に足をかけると、いきなり大声が聞こえた。

「……ぇぇぇぇえええ!!!」

振り返ると綱が叫んでいて、寅希は口を開けて固まってた。

何をそんなに驚いて…あ、そっか、麻燈が私と一緒にいるからだ。

…にしては反応遅かったな。それ、暴走族として危ないと思うけど?

ガチャ

麻燈と一緒に幹部室に入ったら皆の驚いた顔が待っていた。

あ、でも、椋だけはニコニコしてた。

「……ホントに一緒にいたんだ」

「いたよっ」

麻燈、そんなに主張しなくても…。

「すごいね。鈴ちゃんがいると予想外のことばかり起きるよ」

ニコニコの理由はこれか。

他二人は無言ね…。弦イライラしてる?まぁ、だからと言って別に何かあるわけじゃないけどね。

椋がジュースを持ってきたから、テレビを観ながらそれを飲んだ。

政治家の討論番組だったんだけど…海もそれを観てた。

「興味あるの?」

「…別に無いけど」