…ヤバイです。笑顔がとても眩しいです。

「体調戻さないとだと思うから、そろそろ帰るねっ」

「うん。ありがと」

寅希に またねっ、と言って病室を出た。

「あれ?皆どこ言ったんだろ?」

「ーーーーーーーー」
「ーーーーーー」
「ーーーーーーーーーー」

話し声?

私は声のする方に行ってみた。

「今日の8時に漆黒の港の倉庫で暴れるぞ」
「おう!」
「鈴ちゃんにバレないようにしなきゃだね」
「海、那緒軌声大きいよ。鈴ちゃんに何て言うの?」
「鈴は勘がいいし、着いて行くって言いそうだよなっ」

…成る程。

港の倉庫で8時に暴れる。
それを私に知られないようにしてる。
という訳か。

知らないふりして遠くから見るか。

「あっいた!病室出たら誰もいないから、驚いたよ」

「鈴ちゃん!」

「那緒軌、どうかした?」

「う、ううん!何でもない!!」

慌てすぎだろ。


…そう言えばこの病院私…知ってる……。

「皆…先に帰っていいよ」