〜心珠side〜

「心珠、今日はどうする?」

「んー、多分蓮かな。」

「OK!また明日」

うん、ばいばい。と麻李に手を振って、私は大好きな人のもとへ向かった。

集合の場所に何分か待っていた。
あれー、こないな…と思っていると、後ろから目隠しされ、

「だーれだ」

と、聞きなれた声の君は言った。

「蓮でしょ!もぉ。どこいってたの?」

「あー、呼び出しくらってて…」

と頭をクシャクシャと掻きながら彼は言った。

「えー、また、あれ?」

「いや、今回は別件。」

これ以上聞かないでおこう。蓮はもう喋りたくないといった顔をしているから。


蓮と心珠は2人並んで帰った。


「なぁ、お前さ正直貴斗の事どう思ってる?」

え?どうって、純粋に好きとか、嫌いとか?だよね?どうしてそんなことを今…

「別に、普通に好きだよ。」

わたしがそう言うと蓮は複雑な顔をしていた。
私、間違ったこと言ったかな?

「蓮…?」

心配になって声を掛けると蓮は、はっと我に返ったようになってから、いつもの顔で

「そうだよな。貴斗はイイヤツだもんな!」

と、ピースをしながら言った。なので私は心配も晴れ、数本先を歩いていた蓮の後をスキップで追った。

…私からも、なんか聞いてみようかな(ニヤッ

「心珠、今変なこと考えただろ?」

ありゃ?!バレちゃった…かも。

「そ、そんなことないよー、」

と言って少し駆け足で逃げた。

「何年一緒にいると思ってんだ。お前のことはなんでもお見通しだぞ!!」
「逃げても無駄だー、待てー」

と蓮が追いかけてくる。

「はぁっ、はあっ…捕まえた!」

「はぁ…えへへっ。」

疲れたーと言って蓮は道の途中の公園に寄ってブランコに乗った。

「あははっ。心珠おもしれー。」

どきん。どきん。

「ど、どこがよ?!」

「俺が見抜いた時の顔は焦ってて、企んでる時はニヤニヤしてたり…」

「喜怒哀楽がヤバくて、可愛いと思った。」

ずっっきゅーーーん。

『可愛いと思った。』ちょっと、そういう事さらっと言わないでよ!ドキドキが止まらないよ。

「心珠、お前真っ赤だぞ?照れてんの?」

「て、照れてないから!別に。」

素直になれ、私。

「俺に惚れたのか?」

はい。もうとっくの昔から惚れてます。
心の中の自分は素直なのに、口では

「ほ、惚れてるわけないじゃん!」

と言ってしまう。ごめんなさい。蓮。
オマケに蓮の背中も叩いちゃった。

「いってぇー」

「ごめんごめん。私の前に壁があるのかと思って」

「おまっ、明日覚えとけよ!」

「きゃぁー、怖ぁい」

とか、ふざけて自分の気持ちを抑えるしかない。




「じゃーね、蓮」

「おう。まぁ、明日覚えとけよ。」

「上等じゃない!」

「おう。」