不器用な彼に恋した私。




心身ボロボロのまま月曜出勤。
周りから英雄、英雄言われるのだが。

特に翔さんのファンクラブのOLさんから感謝された。
“翔さんを既婚者にさせるわけにはいかないからねー。”

…まぁ、そうですね。
しかし、私が翔さんの恋人であること、そんなことよりもそっちですよね。

“よし!私、翔さんの恋人狙っちゃおー。”


…まぁ、いいか。
そんなファンクラブの皆さまに感謝されながらオフィスに向かうわけだけど。
翔さんはいつもとは違って早めに出勤していた。
いつもと変わらず、TOEICを取得した今でも、TOEICを勉強し続ける翔さん。
そして、山のように積まれたファンクラブの皆さまから貰ったというプレゼント。

日々がバレンタインデーですネ、翔さん。


「藍!あんた、お仕事男子、救ったてね?」
「ま…まぁ。」

「恋人です宣言よりも、結婚詐欺のほうが大きくなってるけどね。
ただ、お仕事男子はメンタルボロボロだろうね。」


ポッキーを頬張りながら翔さんを見たカコ。


「そういえば、今日外回りでしょ。」
「そうだった…そうだよ。二宮と一緒。」


“二宮”
の単語に表情が暗くなったカコ。


ちょっと、様子がおかしい。

「どうしたの?カコ。」
「ん?んーん!なんもないよ。」





…どうしたんだろう。
そんなことを思いながらデスクに座った。
やっと赤い跡が消えたから、普段通りに髪の毛が結べることが楽。
髪を結んでると、二宮がやってきた。


「おはよーございます。
お、井上。昨日の話、覚えてるよな。」

「あー、奢るって話?」


髪を結びながら尋ねる。




「覚えてない。」
「お前な…ウソつくなや。」

“ゼッテーそれ、覚えてるだろ。
今度嘘ついたら、顔面もってこい。”

「一応、女ですけど。」


ふははははっ!!!って笑った二宮。
その姿を切なそうに遠くに見つめていたカコ…。


ホント…どうしたんだろう。






午前からの外回り。
二宮が運転する社用車で得意先訪問。
そして、ついでに営業。


そんなやっと落ち着いてきた時の帰社途中に二宮に尋ねてみた。


「ねぇ、今日のカコ、なんかおかしくない?」
「そう?いつも通りじゃない?」