不器用な彼に恋した私。

「え…優子ちゃん…!?」

あまりのイケメンに私も驚きだ。
というか、ドレスの下にスーツを着ていたのが不思議だ。
ママも警察とは知らなかったのだろう。
あまりのイケメンに発狂。


“ヤバめぇぇぇぇぇ!!!!”


「いやぁ、お騒がせしました。
改めて、初めまして。僕、潜入調査員の刑事課、松本優です。」


「え、私何かしたのかしら…まっ、あのイケメン君だったら、無期懲役でもOK-!」

ママ、すっごい上機嫌で胸板やらなにやらにべたべた触れる。
それよりも私のほうが驚いている。


「まー、しかし。社長に好かれちゃうのは好都合だったよ。なかなか殻に閉じこもってるのも窮屈だ。」
「え…っえぇっ!?」


唇に触れたゴツゴツの指。
その指の先には天使スマイル。



「翔、救いたかったら、俺を協力して?」

“あ、これでも翔くんとは高校からの腐れ縁で。
如月ユイカの真の姿は伝えてないんです。”
とニコリ。


いや、一番手っ取り早い方法にしなさいよ。
直接伝えなさいよ、なんて内心思ってたけど。


「犯人が逃げちゃうので…ね。」
と、翔さん並みの計算高さを発揮した。



「えぇ、いくらでも協力します…。」
「そう、そうこなくっちゃ。」


天使スマイルのイケメンは、私の飲食代まで、机に置くと私の手首をつかんで、バーの外へと走り出た。
すごい力で引っ張られるから、手が抜けそうだ。








***
夜の街、連れてこられたのはある高層ビル。
左手にはカツラとドレスが入った袋。


どうやら今から翔さんのお家へ潜入するらしい。
派遣社員の子は、どうやら今、翔さんの家に転がり込んでいるそうで。
周りの通る人も実は潜入調査員だったりするらしい。


電柱でアンパン刑事の人もいた。
もしゃもしゃもしゃ、食べながら凝視するもんだから、あまりにも不自然すぎる。




…というか、ここ翔さんの家!?
超高層ビル、というか、高級マンション。
ロビーのシャンデリアが痛いくらいに明るい。


「あ、言っておくけど、“優子”がオカマであることは知っているけど、その男が腐り縁の俺であることは翔には言ってないから。
それだけは潜入する上において、把握しておいてほしい。」


そう言いながら5分ほどでコンビニから帰ってきた優子スタイルの優さんがやってきた。
“映画鑑賞”が口実らしい。
なんか、私までドキドキしてきた。