不器用な彼に恋した私。




午後業務。
なんとなーく、そんな気はしていた。
パソコン越し。
派遣社員の子…翔さん…を交互に見る。
確かにお似合いだ、だけれどもこの二人が繋がっていた前歴があるなんて。


驚きの桃の木の山椒の木…

「どこ見てんだ、フグ。」
「いでっ!!!」

“可愛げのない痛がり方ですことー。”
って隣の席の二宮が口をとがらせて呟いた。

「可愛げなくて悪かったわね!ふんだ!」
「おぉーフグめフグめ、もっと膨らむがいい…」


「えぇい!うるさいうるさい!!」

今、数字の打ち込み中だ。
気が散っては、絶対にダメだ。


パソコンと格闘しながら、ちょっかい入れる癖に仕事が終わっている二宮を後でぶん殴ってやるなんて思いながら仕事を終わらせていた。
でも、やっぱりちょっと二人が気になっちゃって。

パソコン越し。
チョロっ。


パソコン越しから翔さんを見ようとした時。
バチッと視線が合ってしまった。

フリーズ。
あちらもフリーズ。

そのまま3秒ほど見つめあったまま、私から視線をそらした。






何さっきの…。
思わず、赤面。

きっとフグというより、ゆでダコ状態であろう。
あ、でもどちらもタコだのフグだの、言われるのは勘弁していただきたい。






モトカノさんも、ついでに見た。
豊満バストにも目が行くが…

顔が小さいなぁ~…。
そう思っていたら元カノさんは、パソコンから視線をそらし、翔さんを見ていた。
翔さんは気づくこともなく、打ち込み作業。



気になる気になる気になる気になる気になる…。




あ、翔さん、元カノさんの視線に気づいた…



あ…。








翔さんはニコリと微笑むと何か口をパクパクさせた。
ウ…ウソだろ。
その様子も二宮は目撃していた。
二宮は“あの豊満バスト…”。


くそ、此奴はただ胸だけに興味あるだけかよ!!
脇腹に肘でアタック。
ウッ、と痛みに気づいた二宮は、睨むような目をして確かに呟いた。
“目の保養くらい、させてくれ。”



***
月曜日早々だが。
私はやけ酒というやらをしていた。
2丁目。とても賑やかな街にやってきた。


「おつ加齢臭ぅぅぅ~~~、耳裏プンプンっ♪」
「私、これでもまだ20代ですから―…」

“あら、そうなの!?てっきり30代かと思ってたー。”
それ、軽く悪口言ってるよ。