不器用な彼に恋した私。




自動販売機が並ぶちょっとした休憩所のソファ。
泣きじゃくる私を二宮がずっと傍にいてくれた。


二宮は、さすがだ。
異変を察したのか、すぐにわたしなんかに優しくした。
肩を抱いて、無言でオフィス内をすたすた歩いて出て行った。
私は初めて、オフィス内で泣いてしまった。

しかも、公の場で。




「どうじよどうじよう・・・本気でぎらわれでる・・・フグッ!!」
「あーもう、どんだけ泣きゃー済むんだ。」



「じらないよ!!どまっでだらごんなに泣いでない!」


あぁー、もう。とめんどくさそうに声を漏らした二宮。


「そんなにアイツにこだわる理由がさっぱりだ。」

「好ぎだがら・・・好ぎだがらじょうがないじゃん・・・。グシュッ。好ぎだがらごんなに他の人に笑いがげてるの見るど傷付ぐんじゃん。」


付き合っているうちに好きになればいい・・・―――。
そう、軽く考えていたけど。

なんでだろう。


いつの間にか、脳内いっぱい。
翔さんが独占する。



「あのさ、ワタクシも一応?その井上に絶賛片思い中なんで?
その言葉は言わないでくれる?」

「だっでぇぇーーー!!」


また泣き出した私。
もう、泣きたい時には泣いてしまおう。

そう思って思いっきり泣こうとした時。



「お取り込みすいません。二宮。
ちょっと井上預かっていい?
また、井上が記入漏れしたせいでクレーム入ってんの。」


こんなときに・・・?
泣きじゃくってる私に?


あぁーもう、精神狂いそう。


二宮は、あぁ、クレームならどうぞ。と素っ気無く足を組みなおしながら言った。



私も大人の女性だし。
きちんと話は聞かなきゃいけない。


・・・のろりと席を立った私は、スタスタと歩き出す翔さんの背中を追いかけるように走った。