不器用な彼に恋した私。



「皆さん、おはようございます!!」
周りの社員の人たちは、"お帰り!!"って大歓迎で帰ってきた私を迎えた。
その挨拶と同時に二宮も出勤。
女性社員が、二宮くんじゃないの~!って大喜び。


オフィス内の共同の机に、買ってきたお土産等を置く。
セルフでよろしくお願いします、と一礼すると、皆大爆笑。
どこが面白いのか、わかんないけど。

やっぱり、温かい職場だなって思った。


自分のデスクに戻ろうとした時、課長に"井上と二宮、後、如月さんも。ちょっと来てくれ。"と手招きされる。
カコはさっきから物言いた気な表情を浮かべる。
多分、連絡の事だろう。


そんな事考えながら、課長の元へ急ぐ。


「出張、ご苦労だった。」
「いえ、貴重な体験をさせて頂きました。」


それは良かった、と課長は喜びながらダンディーな髭を親指と人差し指でなぞる。

「結果報告書等は、後ほど提出してもらうが、紹介したい人がいる。」


紹介したい人?
あぁ、臨時の派遣社員の子かな?

その予想は見事に当たる。


「秋田から来ました、派遣社員の如月ユイカです。
ご迷惑をお掛けしてしまうかもしれませんがよろしくお願いします。」

横に並ぶ二宮を見た。
・・・鼻の下伸びてる。

肘の関節。
ぐっと力をこめ、みぞおちにアタック。
うっ、と声を上げた二宮。

派遣社員の子の華奢な体に似つかわしくないくらいの豊満な胸。
・・・私の寸胴ボディ、見せたろか。
多分、バカにした鼻笑いが聞こえて来るだろう。



とにかくはち切れそうな豊かな胸。
くびれたお腹。
お尻はプリッ。


誰もが羨むその体系に、みんなの視線も釘付け。
・・・そして秋田美人。





ある不安が胸を掠めた。
そう、翔さんが惚れてしまわないかだ。
この完璧な、まさに美人。美女。その単語が似合う派遣社員の子に・・・。

そんな不安で一杯になっている時。
噂をしていた人がやってきた。


翔さんだ。




「あ、翔さん。おはようございます!」

派遣社員の子の可愛らしい声でコチラに視線を送る翔さん。
私と二宮を交互に見て、それから派遣社員の子にとんでもなく甘い微笑を見せた。


胸がジクっと痛む。
私に見せたことの無いような微笑で。
泣きそうになる。


「ってとだから、如月ちゃんをよろしく頼む。」
「分かりました。では、失礼します。」

二宮は深々と礼をすると、立ち尽くす私の肩を抱いた。