不器用な彼に恋した私。





***。
午前業務も昼休みも乗り越え。
最終の書類確認をする。
記入漏れなどをしっかり確認することを課長に頼まれているから。
その信頼を失うわけにはいかない。
記入漏れなどすれば、顔に泥を塗ってしまう。


“担当者:井上藍”
ちゃんと、確認して課長の助手である最終確認者の翔さんのデスクに出す。


でも、すぐにその書類は帰って来た。
何故だろう。頭が働かなくて。


・・・こりゃあ、記入漏れが多い。
しかも数字関係、得意分野なのに。
なんで、ミスなんかするんだよ。
翔さんと顔合わせるじゃん。


「井上。記入漏れが多い。きちんとしてくれ。」

その声に私は、ごめんなさいと一礼した。
「す・・・すすすいません。」


出張前なのに。
ほんとに。行けない私。

こんな風にいつもの自分でいられないくらいなら。
恋愛なんて知らない、世界だったら良かったのに。


「今日、少し会社に残れ。出張前にしっかりするよう説教も含めてな。」


案の定、居残りといわれ。
説教を受けるのではないかと、オロオロした。

翔さんはイライラしながら私を睨みつけた。


「会議室。終業時間終了後、5分以内に来い。」








ホント、最悪だ。。
こんな、仕事もできない自分に嫌気が差して、思わずスーツスカートを握る。
泣きそうになりながら、震える手でタイピングする。
こんなんじゃ、だめじゃん。
頬を叩くと、また奮発して買ったGODIVAチョコレートを摘まんで口に入れた。




うん、美味しい。
井上藍、頑張れ。