偽りの日々

「備品を使えば?」

「無理。」

「あら。なんで?」

「倉庫には皆が集まっていて、とてもじゃないけど行けないです。」

「あぁ。私の、使いなよ。」

バックから予備のラケットを出して渡した。

「いいんですか?」

そう言って彼女は私のラケットを受け取った。

「頑張ってね。」

私は、ニコリと微笑む。
凛ちゃんも、同じように、微笑む。