偽りの日々

「凛ちゃん、平気?」

「あ、あ、あ、あああはい!」

全然平気ではないわね。
苦笑する。

凛ちゃんは、涙でグチャグチャになった顔を、袖で拭いた。

「あ!あ!あ、た、あれ?」

周りをキョロキョロと見回した。
ある事に気が付く。

「私のラケット………」

確かにあったらしいラケットが、無い。