私がそう言うと、千草がキョトン…とした顔をしていた。
「え…?もしかして…その可能性…考えてなかったの?」
「………全く…。王子がフラれるという可能性なんて、考えてなかった…。」
千草の気まずそうな表情を見て、私とりっちゃんは、2人して吹き出した。
「あははっっ!とにかく、昨日王子から逃げて帰っちゃったのなら、本人と話してみなよ。」
そう言うと、りっちゃんは私の背中を軽く叩く。
「そうだね。そろそろ教室に帰ろうか。ちょっとくらい英語の勉強しておかないと、英語…ヤバイよね。」
そう言うと、千草も私の背中を軽く叩く。
そして3人で教室に早歩きで向かった。
3人で歩きながら千草が
「桜…あのさ…。
王子と付き合うにしても、付き合わないにしても、それは桜の気持ち次第だから、どちらを選んでも良い。
でも…必ず返事をしてあげてね。
王子の気持ち…無かったことにしないであげてね。
本当に王子は…良い奴…なんだぁ。」
真剣な千草の言葉に
「分かった。」
と答えるしかなかった。
そして言うまでもなく、1~4時間目までの試験と同じで、5時間目の英語の試験も散々だった。

