桜の花が咲くころに


「千草、彼氏居るんだね。」


千草が去った後、私たちも教室を後にしながら、りっちゃんがニッコリ微笑む。


「そうみたいだよ。ここの高校の2年生だって。だからここの高校を受験したらしいよ。」


「そうなんだ。うわぁ~クラスの男子達が知ったら、ショック受けるだろうね~。千草の自己紹介の時、男子の視線…かなりキラキラしてたもんね。」


「うん!うん!でも、りっちゃんの時も男子の視線キラキラしてたよ~!
千草が【可愛いフランス人形】だったら、りっちゃんは【セクシーなバービー人形】って感じだもんね。

羨ましいよ…2人とも眩しすぎて…。」


「桜も可愛い可愛い!」


「なんか…心こもってないよね?」


「そんな事ないよ。桜の場合は【今から】だね。キラキラしたいなら、女を磨きなさい!

あぁ~でも、キラキラって言ったら、あのクラスの…王子!王子の自己紹介の時、凄かったよね。」


ドクンッ


こらっ!何がドクンッだよ!私の心臓!

これじゃあ、まるで、私が橘くんのことを気にしてるみたいじゃない。