「ねぇ…りっちゃん…。 男の人が泣く時って、どういう時かな?」 「はぁ?」 学校の掲示板でクラスを確認した後、自分の教室へ向かう途中で、同じ中学の同級生だった一木律子(いちき りつこ)に会い、開口一番にそう訊ねていた。 「何よ…男の人が泣く時って…。 随分いきなりね。 大体普通だったら『一緒のクラスだね〜!よろしく〜』とかじゃないの?」 そういうと、肩までのストレートの黒い髪を耳にかけながら溜息をつく。