最後にあなたの唇を




『沙優』


それでもたまに、彼の姿が、声が、無性に恋しくなる時がある。




中途半端な終わらせ方をしてこうして逃げようとして、自分が弱いことくらい分かってはいるんだ。


それでももう、修斗とはいられない。




こんなに心の狭い彼女でごめんなさい。


こんなに弱い彼女でごめんなさい。



修斗、大好きだったよ。





「───…さよなら」






誰にも拾われずに呟いたそれはあっという間に掻き消されて、私はそのまま搭乗口へと足を動かした。