最後にあなたの唇を







『RRrrr……おかけになった電話番号は…────』



「くそ…ッ、」





肝心の沙優とは、ここ1週間連絡が取れていない。



仕事を抜けようかと思ったが、研修医という立場上それもできないために大学へ顔を出すことも無理だった。







────ガチャ、


「ただいま…」



今まで言わなかったくせに、「ただいま」と「行ってきます」を今になって言う始末。



なんで沙優がいる時に言わなかったんだ。


そんな後悔ばかりがのしかかる。





「…ッ!?」



が、部屋の違和感に気付いた瞬間、その後悔が更に募った。