誰にも渡さない

放課後


委員会が終わるまで、拓真に待ってもらっていた。


大切な話があるからと言って。



「待たせてごめんね」


「別に..で?話ってなに」






いつもみたいに不機嫌な拓真。

そんな彼だけど、優しいところもある




この前は朝、電車でお年寄りに席を譲っていたし、

重たそうな荷物を運ぶのを手伝ってあげてた。


転んで、泣いている男の子を起こしてあげていた


私が先生に頼まれて大量のノート運んでたら、さりげなく『俺もそっちに用事があるから』と言って全部運んでくれたこともあった。



不器用だけど、たまに優しい彼が大好きだった。