ねえ、誰か、きみを。




けど、伊吹は自然にわたしと歩き出すと、車道側を歩く。それを見るたび、年下の癖に生意気だ…と思う。

同じ年だったら良かったのに。
年上だなんて、ただ一つ、二つ年を取って居るだけで、何にも得なんてない。



「伊吹は、やっぱ西高受けるの?」


「西高にはお前が居るから、論外」


「なにそれ。…伊吹ちゃんが居たら楽しいと思ったのにー。じゃあ、どこを受けるの?」


「さあ?」


めんどくさそうに伊吹は言う。
何それ?最近流行りも秘密主義ですか?

流行ってるか分かんないけど。



「ええー?気になるしっ。ていうか、晩御飯食べていきなよ。今日、ハンバーグらしいし」


「んー、どうしようかな」


「迷うなら決定!あとその後、二階で一緒に勉強しよっ?人の隣だとわたしも勉強するし」


「それいつも言うけど、なんなの?
勉強してる人の隣だとやる気になんの?」


「いやー、絶賛調子に乗り中で、髪をワックスで立ててる伊吹も勉強するんだったら、わたしも勉強しなきゃって思うじゃん」


「…うぜえ」


自分から聞いた癖に、鬱陶しそうに返事をすると、伊吹は黙った。