独り占めしてもいいですか…?【完】

ゆっくりと部屋へ足を踏み入れると、ベッドで横になる千景のもとへ向かった。





「…千景っ?大丈夫?」





そこには苦しそうに荒い呼吸を繰り返す、千景の姿があった。





額には汗が滲み、顔を真っ赤にさせていた。





「…ぁ?…美生…っ?」





薄っすらと開いた目と視線が重なる。





苦しそうに掠れた声で私の名前を呼んでいた。





「千景、すごい熱じゃん…!」





「…なんで、ここに…っ」





私は急いでカバンから持ってきたタオルを取り出し、千景の汗を拭った。


それと冷えピタもおでこに貼り、氷枕も準備した。





寒くないように布団をかけ直してあげ、暫く様子を伺った。