独り占めしてもいいですか…?【完】

千景の家の匂いだ…懐かしい。





懐かしい家の中に少し、感動しつつも千景の部屋がある2階へと階段を上った。





❝CHIKAGE❞と書かれている部屋の表札を見て、ツバをごくりと呑んだ。





この中に千景がいるもんね…





「千景…?私、美生だよ。お見舞いに来たんだけど…中入ってもいい?」





なるべく優しい声で言ってみたものの、千景からの返事がなかった。





寝てるのかな…?




「…入るね?」





ゆっくりと千景の部屋のドアを開けた。





するとその部屋の奥のベッドで横になる千景の姿を発見した。





「千景…?」





声をかけてみたがやはり反応がない。