独り占めしてもいいですか…?【完】

「千景…?なんで…」





千景はベットの隣にあるイスに座って、私のことを見ていた。





対する私は、状況が理解できず目をパチパチとさせた。





「…美生。覚えてないの?バレーの試合中に倒れたんだよ」


「…えっ!?私…倒れたの?」


「そう。…ほんと、心配したんだから」





私…倒れたんだ…





千景にそう言われ、徐々に記憶が蘇ってきた。





確かサーブのボールが私のところへやってきて、ボールに触ったかと思ったら、体は後ろへ傾いてて…そのまま倒れちゃったんだった。





「…美生」





「はっはい…」





いつもの優しい雰囲気の千景ではなかった。





少し怒り気味の千景につい、かしこまった返事をしてしまう。