独り占めしてもいいですか…?【完】

「…まぁ、千景くんのことだから、言わなくても応援してくれるだろうけど」





心なしか、さっきよりも熱が上がってきてるような気がする。





私ってばほんと、何やってるんだろう…





とりあえずバレーだけ出たら、保健室で少し休ませてもらおうかな。





「はるちゃん…色々迷惑かけてごめんね」


「ちょ、謝んないでよ!美生は何も悪くないんだから。私もバレー応援してるから頑張ってね!」


「ありがとう、はるちゃん…」





はるちゃんの優しさに思わず涙が出そうになった。





そうだよね…いつまでもうじうじしてるわけにはいかないもんね。





絶対バレー勝つ!


それで、練習の成果をちゃんと千景やはるちゃんに見てほしい。





それから開会式が終わると、バレーに出る生徒たちは指定の場所へと移動した。





先ほどからずっと千景の視線を感じていたが、話す時間もなかったため、私はあえて気づかないふりをした。





…少し心が痛んだけど、仕方ない。





そして私たちの初戦の相手は3年生チームということがリーダーから告げられた。