独り占めしてもいいですか…?【完】

そう言って千景は私の顔を覗きこもうとしてきた。





「ちっ、千景!もうすぐ開会式始まっちゃうよ…!私、はるちゃんと先に並んでるから…それじゃ!」





「ちょ、美生!?」





はるちゃんの腕を引っ張り、私は急いで千景のもとから去った。





あ、危なかった…





もうすぐで熱があるってバレるとこだったよ~…





とりあえず何とか誤魔化せたことに、ホッと安堵の息を吐いた。





「美生~最後のはなかったんじゃない?」





「だって…あのまま話してたら、バレそうだったもん…」





「そうだけど…バレーって一番最初の種目だよね?千景くんに応援よろしくくらい言えばよかったのに」





あ…忘れてた…


私ってば何やってるんだろう…





せっかく千景と話せたのに。