独り占めしてもいいですか…?【完】

「やっぱ王子はモテモテってことか」


「…王子?なにそれ」


「え…千景、自分が王子って呼ばれてること知らないの!?」





千景は、はぁ?といった表情を浮かべ、目をパチパチとさせている横顔が見えた。





「俺、そんなの全然知らなかったよ。王子って…」





声の感じから少し呆れている様子が伺えた。





「よかったな知れて。でも、みんなの王子でいるのもいいけど、早くしないと大事な姫が誰かに捕られるかもよ?」





そう言って星くんは何故か私の方へと振り返った。





笑いを堪えるのに必死といった感じで、ハテナマークの浮かぶ私を見ていた。





「ちょ、おい星!余計なこと言わなくていいから…」





千景は何故か少し焦った様子だった。





千景…?

耳まで赤くなっちゃてるけど…どうしたんだろう?





「そうよ、星。あんたは余計なこと言わなくていいの」





隣にいるはるちゃんも話の内容を理解しているようだった。