独り占めしてもいいですか…?【完】

「まじまじ。だから俺もちょっとびっくりした」





「ちなみに、私もリレーに出るから。星のクラスには絶対負けないからね」





はるちゃんは隣で張り切った様子を見せていた。





「うわ、春那もリレーかよ。てことは、美生ちゃんも?」


「いや、美生はバレーだよ」





私の代わりに千景がそう答えていた。





千景、私がバレーに出ること知っててくれたんだ。





そんな小さなことでつい口元が緩んでしまいそうになった。





「うんっ私運動苦手だから…バレーなら迷惑にならないかなって」


「そっかそっか!美生ちゃん頑張れよ!」


「ありがと、星くん」





みんなで体育祭の話で盛り上がっていると、星くんが思い出したように口を開いた。





「そういえば千景。早乙女って知ってる?」





突然出てきた名前に胸がドキッとした。





「…早乙女?うーん、分かんないや」