独り占めしてもいいですか…？【完】

そして私たちは場所を変え、近くの公園へとやってきた。





街灯が照らす下で、私たちは二人でベンチに座った。





「千景、気になることがあるんだけど」


「ん？」


「前に好きな人がいるって言ってたよね？叶わない相手だって…」





私はそのことがずっと気になっていた。





「あー…」





私が首を傾げて千景のことを見ると、千景は何故か少し気まずそうに顔を隠すように口元に手を当てていた。





「千景？」





「…それ、美生のことなんだよね」





ぼそっと呟かれた声はしっかりと私の耳に届いた。





千景は恥ずかしがっているのか、耳まで顔を赤く染めていた。