独り占めしてもいいですか…?【完】

「俺じゃ、千景くんには敵わないってことか」





寂しげに呟かれた言葉を私は受け止めることが出来なかった。





ごめん、三春くん…





三春くんがどれだけいい人なのか知ってる。


今まで沢山助けてもらったこともちゃんと覚えてる。





それでも、千景のことが頭から離れないのっ





目を瞑るたび、脳裏に浮かび上がるのは千景だ。





三春くんといるときだって、何をしているときだって、千景のことをずっと考えている。





千景は私にとって最強なの。


誰にも倒せない、手強い相手なの。





「美生ちゃんが千景くんのこと好きでも構わない。最近、ずっと元気なかったでしょ?俺には分かるよ。千景くんと何があったか知らないけど、美生ちゃんのそんな姿、見たくないんだ。俺が美生ちゃんを笑わせてあげたい…だから!」





三春くんの言葉は全部嬉しかった。


私のことを想って、こんなにも心配してくれて優しい言葉をくれて…


私には勿体ないくらいだよ。