独り占めしてもいいですか…?【完】

本当は俺が美生を幸せにしてあげたい。





俺が美生の隣にいたい。





でもそれはもう叶わぬ夢なのだ。





だから悔しい気持ちをグッと堪え、この人に…辻先輩に頼むしかないんだ。





「頭あげなよ、千景くん」





辻先輩はそう言って俺の肩にポンッと手を置いた。





そして俺が頭を上げると、辻先輩と視線が交わった。





「その言葉…忘れないでよ?」





そう言った辻先輩の声は何故かとても恐ろしいものに感じた。





「はい…」