独り占めしてもいいですか…?【完】

「それじゃ、私そろそろ行くね…」





これ以上この場所にいてはだめだ。





もう涙がすぐそこまで迫って来ていた。





絶対…絶対千景の前で泣いちゃだめ…っ。





「今日は付き合ってくれてありがとう」


「いや、いいよこれくらい」





お互いが作り笑いを浮かべ、この場の空気を保とうとした。





こんなの…逆に辛いだけなのに…っ。





「じゃ…また学校でね」


「うん…また」





最後の最後まで作り笑いを浮かべ手を振ると、お互いが背を向けそれぞれの道へと歩き出したのだった。





千景に背を向けた途端、堪えていた涙がとめどなく溢れ出てきた。