独り占めしてもいいですか…?【完】

「そうなんだ…知らなかった」





私は動揺していることがバレないよう必死に作り笑いで答えた。





…最悪だよ。





本当は今すぐにでも泣きたい気持ちだった。





でも、千景の目の前で泣くわけにはいかない…っ。





奥歯を噛みしめ涙をグッと堪えた。





場に流れた気まずい空気に耐えきれず、口は勝手に開いてしまう。





「その人って、どんな人…なの?」





こんなこと聞きたくないのに。


千景の口からこれ以上、なにも聞きたくない。





「んー…」





千景は少し考えた素振りをみせ、夕日に染まる空を見上げながら言った。