独り占めしてもいいですか…?【完】

私は千景に見つからないように、こっそりと集団の間を抜け、自分の教室へと戻った。





「美生!遅いから心配してたよ!大丈夫だった?」


「はるちゃん…」


「美生!?どうした?」





思わずはるちゃんに抱き着いてしまっていた。





…やっぱり無理だよ。





千景が他の女の子に囲まれているのを見るのも嫌。





私以外の子に笑顔を向けるのも嫌。





私だけをみてほしい。誰にも渡したくないよ。





独り占め…したいよ。





「美生…」





はるちゃんはただ優しく私を抱きしめてくれた。





私ははるちゃんの優しさに甘えた。





きっと今、はるちゃんから離れたらきっと泣いてしまう。





そんな気がした。





はるちゃんもそれを分かってか、何も言わず私の頭を優しく撫でてくれた。