独り占めしてもいいですか…?【完】

「ちょっと来てもらっていい?」





「わっ、私!?」





突然口を開いたかと思えば、どうやら用事があるのは私のほうだったみたい。





私…この子のこと知らないんだけど…

人違いとかじゃないよね…?





「ちょっと。自分の名前くらい名乗ったらどうなの?」





は、はるちゃん…!





私と女の子の間に割って入るように、はるちゃんは目を鋭くさせていた。





「はるちゃんっ私なら大丈夫だから…ちょっと行ってくるよ」


「えっ美生…大丈夫なの?」





ほんとはちょっと怖いけど…

私に何か用事があるってことなら、ちゃんと話聞いてあげないとね。





「大丈夫!行ってくるね!」





心配そうな眼差しを向けるはるちゃんを背に、私は女の子についていった。





そして連れて来られた場所は、人気のない空き教室だった。