独り占めしてもいいですか…?【完】

なんでだよ…美生。





あんなに嬉しそうな笑顔してたのに。





もしかして、俺に気を使って…?





俺が強引に誘って断りづらかったとか…?





…俺、なにやってんだよ。





てっきり美生も喜んでくれてると思ってたのに、結局喜んでたのは俺だけだったってことか。





楽しみにしていた分、ショックの大きさもデカかった。





何とか顔に出さないように堪えたが、正直今は立ち直れそうになかった。





「千景くん?どうしたの?」





「…ごめん、今日はちょっと気分が悪いから勉強はまた今度でもいい?」





美生の気持ちも考えないで、突っ走りすぎたかな。





「えっ大丈夫?よかったら保健室に…」


「ううん、大丈夫だから。それじゃ」





女子たちの間を抜け教室を重い足取りで出た。