独り占めしてもいいですか…?【完】

「美生ちゃーんっ」





すると女の子たちの声とは違う、ワントーン低い声が聞こえた。





声の方へ振り向くと、廊下に三春くんの姿を発見した。





「あっ三春くん」





三春くんはニコニコと笑顔をみせ、こちらに手を振っていた。





…朝から爽やかな笑顔だ。





何か用事かな?と思いつつ、小走りで向かった。





「おはよう美生ちゃんっ」


「おはよう三春くん。朝からここにいるの珍しいね。なにか用事?」





玄関から3年生の教室へ行く道的に、私のいるこの教室は通らないはずだ。


わざわざ通る必要ないし、何か用事でもあったのかな?





「んー…いや?用事っていうか、美生にちゃんに会いにきただけ?」





三春くんはそう言って、照れくさそうに笑顔を見せていた。





「ふふっなにそれっ」