独り占めしてもいいですか…?【完】

「う、うん…?」





「これで少しは千景くんも焦るんじゃないかな…よしっ戻ろっか」





千景が焦る?なんのことだろう?





はるちゃんの発言に疑問を思いながらも、私たちは空き教室を出た。





教室へ戻ってくると、廊下まで聞こえる女の子たちの黄色い歓声が響いていた。





「千景くん!おはよ!」


「今日もかっこいいね!」





聞きなれた女の子たちの甲高い声が広がっていた。





耳を塞ぎたくなるような気持ちを抑え、目を伏せがちに自分の席へと座った。





今日もモテモテだなぁ…





女の子たちで隠れてしまって姿すら確認することが出来なかった。





こんなのは毎朝のことだけど…





どうせ、いつもみたいにみんなに笑顔振りまいてるんだよね。

…千景もいつまでも笑ってないで、たまには私のとこに来てくれてもいいのにっ





と、理不尽な怒りを覚えていた。