独り占めしてもいいですか…?【完】

「…なんだよその反応~」





千景は少し拗ねた様子で口を尖らせていた。





だ、だってまさか…千景からそんなこと言ってもらえるなんて思ってなかった。





どうしようっ嬉しすぎてにやけちゃう。





「ごめんごめんっびっくりしただけ」


「ならよかった。てっきり嫌がられたのかと思ったじゃん」





そう言って千景は少し照れくさそうに笑っていた。





「ううん!嫌じゃない!でも…千景が他の子と帰りたかったら、私に遠慮しなくていいからね!」





無理に一緒に帰ってもらうのも悪いし…


千景はみんなの人気者だから、みんな千景と帰りたいだろうし。





私なんかが独り占めしちゃだめだもん…





「んー…わかった」





千景はというと、何故か少し納得いってなさそうな様子だった。





「でも、ありがとね千景!」





喜びで緩む顔を引き締めながら、隣を歩く千景を見上げた。