独り占めしてもいいですか…?【完】

頑なに拒否をする私を見てか、千景はやっとのことで口を開いた。





「…そっか。無理に聞いてごめん」





そう言っていつもの優しい笑顔を浮かべ、私の頭をぽんぽんと撫でた。





「…千景」





今、一瞬千景の顔がすごく悲しそうに見えたんだけど…

気のせいだったかな?





疑問に思い千景の様子を伺ったが、特にそれといった素振りもなく、いつも通りの千景だった。





…やっぱ、私の見間違いか。





「そういえば、西崎が部活に入るの意外だったな」


「だよね。高校じゃ部活はやらないって言ってたから、私もちょっとびっくりした」





中学の頃はバリバリの運動少女で、陸上部のキャプテンまでやってたもんね。





「…部活って毎日あるの?」


「うーん…どうだろう。でも、はるちゃんはほぼ部活になるって言ってたかな」





はるちゃんと当分一緒に帰れなくなるのは寂しいけど…





「そっか。じゃあ、西崎の部活ある日は俺と帰るか」





「えっ」





千景の発言に思わず声が漏れてしまっていた。