独り占めしてもいいですか…?【完】

私はすぐさま千景から視線を逸らすように顔を背けた。





「なんか俺に隠し事してるだろ?」





ギクッ





思わず肩をビクつかせてしまった。





これじゃあ、隠し事してますって言ってるようなものじゃん…





千景は昔から勘が鋭く、すぐに私の嘘など見抜いてしまう。





「べ、別に隠し事なんてしてないよ」


「ふーん?じゃあ、俺の目みてそう言ってよ」


「…目っ!?」





むりむりむりっ…!

千景の顔みて言えるわけないよっ





もし千景にバレたりでもしたら…





そう考えると、体をぷるぷると震わせた。





「それはむりです…」





私は全力で首を横に振り、俯いた。





千景が私のことみてる…

どうしよう、顔があげられないよ。





早く…なにか言ってよ…っ。